アレルギーについて

アトピー性皮膚炎に使う保湿剤は何が良いのか

今回は、アトピー性皮膚炎の子供達からよくある質問にお答えしたいと思います。
第1弾の内容は、アトピー性皮膚炎に使う保湿剤「市販も含め」は何がお勧めですか?

とても大事な事ですがちゃんとした答えを持っている先生はあまり居ません。でも、患者さんにとっては、これがおススメと、製品名を教えてほしいですよね。

今回はその製品名まで教えちゃいます。今回の私個人の観点ではなく、ちゃんと海外の報告などから引用したちゃんとしたものになっております。「日本のアトピー性皮膚炎ガイドラインは保湿剤の選び方についての記載は無く除されました。」

Q1保湿剤にはローション、クリーム、軟膏などがありますがどれが良いですか?


まずは、
本人の好みが優先されます。


Q2えっ?そんな自分で決めて良いのですか?

その理由は「本コンテンツ最後のチューブから出ない薬は効かない」を参照してください。
しかし本当は、冬は軟膏のほうが好ましく…【報告1.2】アトピーにはローションよりも軟膏が適していると推奨しておりますが…【報告2.3】

液体に近ければ近いほど使用感(べたつき感)は少なく好まれます。その代わり保湿保護効果は弱くなります。

種類保護効果使用感、塗りやすさ
化粧水ローション
乳液ローション
クリーム
軟膏

Q3自然なもの「それらが含まれるもの」ではどうでしょうか?

まずは、「自然」は「安全」を意味するものではありません【報告2】。

これはとても重要かつ重大なメッセージだと思います。更にハプテンやピーッツ、ココナッツオイルなどは逆に悪化させたりそのものの食物アレルギーを引き起こしたりすることがあり注意です。

Q4では、ズバリ、何がおススメですか?


実は、優劣はありません。
保湿剤は新しいものから古いものまでありますが現在のところどの製品「処方薬、市販品を含め」に特段の優劣があるという事は証明されていません。【報告1.3】
処方薬はより効果的と思われがちですが、実際はそうではありません。

そして、様々な報告、勧奨を探した結果、日本でも海外でも学会、協会などから推奨されて いるものはありませんでした。

Q4それじゃ、話が違うじゃないですか…


そうですよね…、なので探しました。
ひとつだけ、我々医師が参照するオンラインの教科書「Up To Date」からは
クリームタイプではCetaphil、Eucerin、Nutraderm、
軟膏タイプのAquaphor、Vaselineを推奨しております。

Q5これは高いし海外製品でなくて、普通のドラッグストアで買えるものはありませんか?


では、保湿剤の選び方についてお話ししましょう。

米国では安全、効果、価格が安い、無添加、無香料、無刺激物質などが理想です【報告3】これらを満たすものであれば、ドラッグストアで探せそうですね。
そして韓国【報告2】でも保湿剤のコスパを重視することを大事な要因と位置付けています。

Q5コスパですか?


有名なCetaphil、日本でも海外でも同様に1ml 約2円です。 日本ではヒルドイドローションが有名ですが本来の値段は1g(約1mL?) 21.6円10倍の値段です。ですが、日本は成人でも3割負担、小児では医療費助成がある場合、無料で処方箋があれば貰えます。

しかし、海外では処方箋で出される保湿剤は高額で市販薬の方が安いです。実際、市販の安価なワセリンベースの保湿剤と高額な処方された保湿剤では効果に差はなかったと報告しております。【報告2】

これは、もったいなくて少しの量しか使用しない高額な処方薬に対し安価な市販の保湿剤のほうがたっぷりと適切な量の保湿剤を使えているからです。

保湿剤の適切な使用はADの治療を成功させるための鍵であるため、保湿剤の選択は患者の好み「軟膏、ローションなどの剤形」と社会的事情「金銭面」を考慮する必要があります。【報告2】

日本でも皮膚科で有名な言葉があります。「チューブから出ない薬は効かない」まさにこれだと思われます。即ち、医師が軟膏の方が良いと思って処方しても、本人はローションが良いと言っており、処方された軟膏を塗らないのであれば、医師は塗ってもらえるローションを処方することが肝心なのだと思います。

【報告1】
Consensus Conference on Clinical Management of pediatric Atopic Dermatitis
小児アトピー性皮膚炎の臨床管理に関するコンセンサス会議
「イタリアのアトピー性皮膚炎のコンセンサス」

【報告2】
Consensus Guidelines for the Treatment of Atopic Dermatitis in Korea (Part I): General Management and Topical Treatment
韓国のアトピー性皮膚炎の治療のためのコンセンサスガイドライン(パートI)
:一般的な管理と局所治療
「韓国のアトピー性皮膚炎のガイドライン」

【報告3】
Guidelines of care for the management of atopic dermatitis: section 2.
Management and treatment of atopic dermatitis with topical therapies
アトピー性皮膚炎の管理のためのケアのガイドライン:
セクション2.局所療法によるアトピー性皮膚炎の管理と治療
「米国のアトピー性皮膚炎ガイドライン」

【2020.9現在の情報であり今後更新は随時行っていきます。】