アレルギーについて

舌下免疫療法は何年続けるの?

ダニ、スギの舌下免疫療法は3~5年と言われていますが、
実際は何年続ければよいの?

これに関しては、以下の報告が参考になると思います。

題名:Long-lasting effects of sublingual immunotherapy according to its duration:
A 15-year prospective study
(治療持続期間の違いによる舌下免疫療法の持続効果:15年間の観察)
雑誌名:J Allergy Clin Immunol 2010 126:969-75

イタリアにおいて78名の16-65歳の成人のアレルギー性鼻炎の患者さんを対象としたダニの舌下免疫療法を15年間の追跡調査した報告です。 研究の目的は、3,4,5年の舌下免疫療法どれが最適なのかを探求しています。
結果は治療終了後、3年だと7年間持続、4.5年だと8年間効果が持続するとのことです。結論として4年間の治療は、3年間よりも効果は高く、5年間と同様の持続効果なので4年が最適だと考えられる、と報告しました。
すなわち、この報告によると4年が最適と言えると思われます。

しかし!

私見ですが、これを日本に当てはめるには2つの非常に大きな問題点があります。
ひとつめは、この報告がホコリダニアレルギーのみを有する患者さんを対象とした治療であるということです。日本人は約3人に1人がスギ花粉症を持っていると言われています。このスギ花粉症がなぜ問題になるかといえば、ダニや花粉や動物など複数にアレルギー反応を起こす人よりもダニならダニだけ、スギならスギだけに反応を起こす人のほうが治療効果は高いからです。【報告2】
また、この研究で使用されているのはいわゆる日本ではミティキュアダニ舌下錠などですが、薬品投与量がこの研究のほうが多いですし、投与方法などが全く異なります。
投与量が多ければ多いほど高い効果が出るのは当然です。【報告3】
結局、適切な期間について最低3年は必要ですが最適な年数は現在のところ明らかではありません。【報告4】
私見ですが、おそらく長くやったほうが良い効果が出ると考え当院では5年を推奨いたします。また、最新の情報が更新された場合には適宜更新致します。


【報告2】題名: Efficacy of sublingual immunotherapy in the treatment of allergic rhinitis in pediatric patients 3 to 18 years of age: a meta-analysis of randomized, placebo-controlled, double-blind trials(3〜18歳の小児患者のアレルギー性鼻炎治療における舌下免疫療法の有効性、一部省略)
雑誌名:Ann Allergy Asthma Immunol. 2006 ;97:141-8.

【報告3】題名:Sublingual immunotherapy in allergic rhinitis: efficacy, safety, adherence and guidelines.(アレルギー性鼻炎における舌下免疫療法:有効性、安全性、遵守およびガイドライン)
雑誌名:Clin Exp Otorhinolaryngol. 2014;7:241-9.

【報告4】 題名:Clinical practice. Allergic rhinitis.(アレルギー性鼻炎の臨床)
雑誌名:N Engl J Med. 2015 372:456-63.


※2017.1現在の情報であり今後更新は随時行っていきます。