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気管支喘息と新型コロナウイルス感染症について

気管支喘息と新型コロナウイルス感染症について

2022.3現在、5~11歳のコロナワクチン接種が始まっており、じっくりと精読している時間も無いことと、まだ何も分からない新興感染症のため、現在調べられた範囲の文献報告です。

q1
気管支喘息という基礎疾患がるので新型コロナウイルスの重症化が心配です。
ワクチンを直ぐに受けた方が良いでしょうか?
この御質問にお答えいたします。
まず、気管支喘息を持病に持っている場合、新型コロナウイルス感染による重症化及びかかるリスクは高くないと現在の研究結果からは示されています。
q1
高くない??高いではなくて?
新型コロナウイルス感染に必要なある2つの受容体が気管支喘息患者さんでは少ないため、新型コロナウイルスにかかりにくく重症化しにくいと言われております。[1]

[1]Does asthma affect morbidity or severity of COVID-19?
念のため、成人のお話です。
q1
では小児ではどうでしょうか?
以下の「2.3.4」の報告を見ていましょう。

「2」Risk and Protective Factors for COVID‑19 Morbidity, Severity and Mortality.

様々な報告を分析した結果、気管支喘息は新型コロナウイルス感染を起こしやすい、重症化しやすいかは明確ではないと結論しています。しかし気管支喘息が新型コロナウイルス感染に関して潜在的なリスクがあると報告しているものは、ほとんどありません。その原因は上述の成人と同じように受容体の少なさが関係しているのかもしれない可能性に言及しています。

「3」Risk Factors for Severe COVID-19 in Children: A Systematic Review and Meta-Analysis.

お隣の韓国からも「気管支喘息を除く慢性肺疾患はリスクとなる→気管支喘息はリスクに入らない」と報告。

「4」Prevalence and risk associated with asthma in children hospitalized with SARS-CoV-2: a meta-analysis and systematic review.

この様々な研究を検証したレビューでも「気管支喘息は新型コロナウイルス感染による入院の危険リスクには見えません」と結論付けています。

最後に、全ての報告では更なる研究が必要とは付け加えております。

以上から、気管支喘息は現在の段階では重症化の強い懸念材料ではないと考えます。
気管支喘息はリスクにならない可能性が高いだけであり、ワクチン接種を思いとどまらせるわけではありません。
お子さんに気管支喘息があった場合、超緊急でワクチンの予約が取れなくても過度の心配をする必要はなさそうですね、と言うレベルです。
【2022.03現在の情報であり今後更新は随時行っていきます。】

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