アレルギー疾患とその他の最新治療
蕁麻疹について当院でよくいただく代表的なお質問についてのQ&Aです。
蕁麻疹が出たのでアレルギーの検査をしたいのですが?
日本のガイドライン【報告1】によると「蕁麻疹の多くは原因不明であり,血液検査により治療内容が決定されることは少ない」とし、「すべての蕁麻疹にアレルギーの検査を実施する意義は認められない」「慢性蕁麻疹に対してルーチンに行うべき検査はない」と、無意味な検査を否定しています。しかし、【報告1.2】ともに明らかにアレルギー物質に反応したという明確な事実と再現性がある場合には検査を行う、としております。当院はアレルギー科ですので皆さん蕁麻疹だからアレルギー検査して欲しいと来院されますが、明らかな場合を除いて私は検査をすることはありませんし、お断りしています。納得して頂ける患者さんもいらっしゃいますが、そうでもない方も…。出来れば、皆さんこのページを読んでから来られると非常にありがたいのですが…。
では、原因は分からないのですか?
【報告3】によると、小児では成人に比べると感染(風邪など)が原因となっていることが多く、急性蕁麻疹で約40%以上も原因となっています。急性、慢性ともに感染は原因となることがあります。報告では慢性蕁麻疹の20~50%は何かしらの原因があるとも報告されますが「実臨床においてほとんど原因は分からい」と述べています。
治療はどうしましょう?
まずは、【報告1.2】ともに抗アレルギー剤の内服を行うことを推奨しています。もちろん1種類で効果がない場合もありますので、その場合には第2、第3、第4、第5、第6の手くらいまで準備しております。当院では幸い第6の手までで日常生活が問題なく過ごせている患者さんのみです。最近では12歳以上限定で点滴を行う治療があり、約80%に効果を認め速やかに症状を改善しますが非常に高価「薬代だけで月に9万円に自己負担率を掛ける」であることと6ヵ月間を投与推奨期間としますが、それが中止されると再発することが多いようです。当院では行っておりませんので必要であれば高度医療機関に御紹介致します。
蕁麻疹は治りますか?
急性は4~6週間で治癒しています。治癒しないのが慢性蕁麻疹に移行するわけですが、その治癒率は報告により様々です。【報告3】1年で84.8%治癒したという報告もあれば、1年では18.5%、3年で54%、5年で67.7%ですが得てして良いようです。当院でも開院して6年目ですが毎日内服をしなければいけない子供は、幸いおりません。
【補足】
*海外と日本では慢性、急性蕁麻疹の定義が異なります。日本では4週間以上、海外では6週間以上続く場合を慢性と定義します。
*当院では蕁麻疹について一般的な注意事項などを記載したパンフレットをお渡しして治療及び指導をしております。
【報告1】
出典元 :日本皮膚科学会
題名 :蕁麻疹診療ガイドライン
【報告2】
雑誌名:World Allergy Organ J. 2012 (11):125-47
題名:Diagnosis and treatment of urticaria and angioedema: a worldwide perspective.
「蕁麻疹と血管浮腫の診断と治療:世界的な視点」
【報告3】
雑誌名Allergy Asthma Immunol Res. 2017 9:189-190
題名:Prevalence and Causes of Childhood Urticaria.
「小児期の蕁麻疹の有病率と原因」
2018.10現在の情報であり今後更新は随時行っていきます。
*海外と日本では慢性、急性蕁麻疹の定義が異なります。日本では4週間以上、海外では6週間以上続く場合を慢性と定義します。
*当院では蕁麻疹について一般的な注意事項などを記載したパンフレットをお渡しして治療及び指導をしております。
【報告1】
出典元 :日本皮膚科学会
題名 :蕁麻疹診療ガイドライン
【報告2】
雑誌名:World Allergy Organ J. 2012 (11):125-47
題名:Diagnosis and treatment of urticaria and angioedema: a worldwide perspective.
「蕁麻疹と血管浮腫の診断と治療:世界的な視点」
【報告3】
雑誌名Allergy Asthma Immunol Res. 2017 9:189-190
題名:Prevalence and Causes of Childhood Urticaria.
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2018.10現在の情報であり今後更新は随時行っていきます。
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