アレルギーについて

妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種の勧め

今回は妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種の勧めです。
副題「妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種が赤ちゃんをインフルエンザから守る?」

まず、私は小児科医でありますから妊娠中の詳しいことは分からないし管理も出来ません。しかし、妊婦さんにインフルエンザワクチン接種を勧めたいと思います。なぜならば、それは妊婦さん自身だけでなく赤ちゃんを守ることにもなるからです。

Q1妊婦さんへのインフルエンザワクチンは大丈夫なのですか?

まず、妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種は日本産婦人科学会【1】からも米国のCDC【2】からも推奨されており、妊娠のどの時期に接種しても問題ありません。

妊婦さんはインフルエンザにかかると重篤な合併症を引き起こしやすく、また流産、早産などの頻度が高まるので接種が推奨されております【2】

Q2では、その妊婦さんの予防接種はお母さんのためだけなのでしょうか?

答えはもちろんNOです。

それは後程説明いたしましょう。

少し話題は変わって、赤ちゃんとインフルエンザワクチンについてのお話です。

Q3赤ちゃんってインフルエンザにかかるの?予防接種は出来ないの?

新生児~生後6カ月までの赤ちゃんは日本、アメリカでも現行のインフルエンザワクチン接種は対象となりません。

この時期の赤ちゃんは免疫応答が弱くインフルエンザワクチン接種の効果が成功に終ることが困難なのです。【3】しかし、6ヶ月未満の赤ちゃんはインフルエンザ重症化のリスクは特に高いのです。

Q4では、その生後6か月までは、どのようにしてインフルエンザから守ってあげれば良いのですか?

妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種で守ってあげましょう。

先ほどの「妊婦さんの予防接種はお母さんのためだけなのでしょうか?」の説明です。 実はお母さんのインフルエンザワクチン接種によって出来た免疫は胎盤を通して赤ちゃんに移行して赤ちゃんを守ってくれます。インフルエンザワクチンを受けた妊婦さんから出生した赤ちゃんのインフルエンザにかかる率が米国の報告では70%、バングラデシュでは63%【4】、南アフリカでは48.8%【5】減少しました。

お母さんのインフルエンザは赤ちゃんをインフルエンザから守りますので一石二鳥ですね。 余談で。実はこの妊婦さんへ予防接種することで赤ちゃんを守ることができるものはインフルエンザだけではありません。百日咳も同様です。百日咳ワクチンは日本では生後3か月から接種しますが、百日咳はワクチン接種前の生後1-2か月の赤ちゃんが重症化します。そのため海外では百日咳ワクチンを妊娠27週~38週「国によって幅があります」での接種を推奨しております。【6】 赤ちゃんを百日咳から守り日本でも実現できるとよいのですが…。

【報告1】
日本産婦人科学会 産婦人科診療ガイドライン産科編2020

【報告2】
Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices-United States, 2019-20 Influenza Season.
疾病管理予防センター(CDC):2019-20インフルエンザシーズンにおける季節性インフルエンザワクチンによる予防と管理:米国予防接種実施諮問委員会の勧告

【報告3】
Influenza in Infants Born to Women Vaccinated During Pregnancy.
妊娠中にインフルエンザワクチン接種を受けた女性から生まれた乳児のインフルエンザ

【報告4】
Effectiveness of maternal influenza immunization in mothers and infants.
母親と乳児における母体インフルエンザ予防接種の有効性

【報告5】
Influenza vaccination of pregnant women and protection of their infants.
妊婦へのインフルエンザワクチン接種と乳児の保護

【報告6】
海外の妊婦への百日咳含有ワクチン接種に関する情報「国立感染症研究所HP」

※2021.6現在の情報であり今後更新は随時行っていきます。